ATS|テスト自動化

2022.4.15

【第5回】:Eggplantを適用するメリット

CI/CDのためのテスト自動化アプローチ

プログラム変更からリリースまでのプロセスを自動化する「CI/CD (継続的インテグレーション/継続的デリバリー)」は、近年注目されているアプローチです。CI/CDを開発・QA現場へ適用するためには、様々なツールを併用して適切に連携させる必要があり、正しい知識が求められます。

特に、「自動化レベルが高い」テスト自動化ツールの選定や導入が適切に行われるかどうかが、CI/CDの成否を左右します。連載第4回では、CI/CDにテスト自動化ツールを適用するポイントについて解説しました。詳細については、前回記事をご一読ください。

CI/CDのためのテスト自動化アプローチ 【第4回】:テスト自動化ツールを適用するポイント

数あるテスト自動化ツールの中でも有力な選択肢は、米国キーサイト社が開発したテスト自動化ツール「Eggplant」です。高度なAI (人工知能)・モデリング技術により、実行にとどまらずテストのあらゆるプロセスを自動化・省力化できます。

連載最終回となる本記事では、EggplantをCI/CDに適用するメリットと導入支援サービスを中心にご紹介します。

EggplantをCI/CDに適用する4つのメリット

CI/CDでは単に自動テストを導入するだけでなく、比類のないテストの自動化率の実現が成功のカギとなります。ここではEggplantをCI/CDに適用する主な4つのメリットについて、順番に解説します。

メリット1:実績があるCI/CDツールと連携可能

CI/CDにおいてテスト自動化ツールは、オープンソースや商用の各種CI/CDツールやバージョン管理ツール、バグ管理ツールとの連携が欠かせません。その点Eggplantは、「Jenkins」や「JIRA Software」など、信頼性の高いツールと連携できます。こうしたツールとの連携はCI/CDパイプラインの質を高め、CI/CDの費用対効果向上に寄与します。

Jenkinsは、ジョブのスケジュール実行などの豊富な機能と実績を有するCI/CDツールです。幅広いプラットフォームに対応でき、豊富なプラグインにより、柔軟なCI/CDパイプラインの構築を可能にします。

またJIRA Softwareは、バグ管理や課題管理の機能も兼ね備えたプロジェクト管理ツールです。様々な情報を管理・共有できるカンバンボードなどの優れたUIが特徴で、アジャイル開発において最多の実績を誇っています。

メリット2:テストプロセス全体の自動化が可能

ツールによる自動化対象はUIテストなどが一般的ですが、最近ではユーザビリティのように繊細なタイミングが要求される非機能テストも求められます。しかし、ほとんどのテスト自動化ツールはテスト対象をコードレベルで扱うため、ユーザー観点を伴う非機能テストの自動化が困難です。

また、テストケースの作成もテスターに委ねられる部分が大きく、テストケースを最新に保つための負荷や、テストケース使いまわしによる考慮や検討漏れの発生を招く恐れもあります。人的リソースが介在すればするほどに、CI/CDの利点を享受することは難しくなります。

一方Eggplantであれば、テスト設計・テスト実行を並行する「探索的テスト」の自動化が可能です。AIがテスターの思いもよらぬテストケースまで探索し、テストスクリプトを自動生成します。そのため、テスターによるテストケースの定義・作成、優先度付けなどのプロセスを省力化し、テストケースの漏れを防止できる上に、テスターでは再現が難しい非機能テストにも対応可能です。テストプロセス全体の自動化を実現することにより、CI/CDの成果を最大化するだけでなく、テスト品質の向上にもつながります。

メリット3:テスト結果の高度な判定・分析が可能

Eggplantは、独自の画像認識技術によりテスト結果を判定するため、わずかな表示の問題なども見落としません。検出された問題はバグ管理ツールへ速やかに起票され、キャプチャなどの情報とともにメールでも報告されます。Eggplantによる迅速かつ高精度なテスト結果判定は、開発の手戻りを最小化するだけでなく、誤検出によるチームの混乱も防ぎます。

また、カバレッジ (網羅率) をはじめとした種々のテストメトリクスを可視化し、AIにより分析することも可能です。過去の膨大なデータを蓄積したAIは、テスターが想定できない多くのインサイト (洞察) を提供します。結果として、リリース判定やフィードバックが容易となり、次の開発サイクルへの移行をスムーズにし、CI/CDパイプライン全体のアジリティを向上させます。

メリット4:リモートでのテスト対応が可能

Eggplantは、RDP (Remote Desktop Protocol) やVNC (Virtual Network Computing) といった技術を採用しています。これらによってテスト環境を破壊することなく、遠隔地にあるテスト対象デバイスのリモート操作が可能です。CI/CDの全体制御を担うCIサーバーが離れているケースでも問題ありません。

これにより、離れたデバイス間のE2Eテストを一連の操作として自動実行でき、リモートでのテスト対応が容易となります。オフィスワークを前提としたテスト自動化ツールでは、新型コロナウイルス感染症などの脅威やワークスタイルの変化に対応できません。Eggplantは高度なリモート開発に対応することで、開発者の負担を軽減するだけにとどまらず、継続的な開発・リリースを妨げるリスクも排除します。

Eggplantの実装を支援する「ADOC Testing Service (ATS) for Eggplant」とは

Eggplantは高機能なローコード・テスト自動化ツールではあるものの、CI/CDやアジャイル開発環境の重要プロジェクトとして適切かつ迅速に導入するためには、やはり一定の経験・スキルレベルと貴重なエンジニアリソースのアサインが不可欠です。一般に、開発・QA現場でテスト自動化ツールの導入に適した要員の確保や教育に時間を費やすことは、容易ではありません。

Eggplantのスムーズな適用によりCI/CDを導入し費用対効果を高める上で、有力なサービスとなるのが「ADOC Testing Service (ATS) for Eggplant」です。Eggplantの導入コンサルティングからテスト自動化の適用にいたるまで、ワンストップの技術サービスを提供します。ここでは、ATS for Eggplantにおける2つの特長をご紹介します。

特長1:認定エンジニアによる導入コンサルティング

ATS for Eggplantは、熟練したエンジニアによるEggplantの導入コンサルティングを提供しています。国内最多を誇る「Eggplant認定資格技術者」を有するチームが対応にあたるため、クライアントにEggplantの専門的な知識や専任の要員確保などは不要です。

豊富な知識・スキルによりEggplantの最適な導入を促進し、開発現場における迅速な自動テスト適用につながります。テスト自動化に要する工数・コストを大幅に削減するとともに、移行にともなうサービスや開発プロジェクトのダウンタイムを最小化します。

特長2:本導入前に効果検証が可能

自動テストの適用は、開発・QA現場にとって大きなインパクトをともないます。費用対効果が把握できない状況は、テスト自動化ツールの導入に踏み切る上で障壁となります。その点ATS for Eggplantであれば、Eggplant導入後の投資効果とリスクを検証するPoC型の「ATS効果検証サービス」を利用可能です。

ATS効果検証サービスでは、熟練したスタッフがクライアントのテスト対象システムにEggplantを試験導入。そしてQCD改善効果を検証し、クライアントにベンチマークを提示します。このサービスにより、クライアントの導入リスクを回避し、導入の意思決定から本導入への移行までを迅速に行うことが可能です。

サービス開発は、CI/CDの適用により新たなステージへ

今回は、CI/CDによる開発環境構築において、自動テストの実現に有力となるEggplantやATS for Eggplantについてお伝えしました。

CI/CDは、短い開発サイクルを繰り返すアジャイル開発で大きな効果が期待できるアプローチです。しかし多くのツールを導入する必要があり、CI/CDの適用はハードルが高いのも事実です。特にテスト自動化ツールの選定・導入は、CI/CDの実現はもちろん、スピードと品質の担保に直結する重要なポイントとなります。

CI/CDにおける自動テストの実現にあたり有力となるソリューションは、Eggplantです。また、テスト自動化プラットフォーム構築サービスであるATS for Eggplantの利用により、AIを駆使して高度な自動テストを実現するEggplantを、開発・QA現場へ迅速に適用できます。新型コロナウイルス感染症に代表される予測できない社会の変化は、サービス開発のあり方や生産性にも大きな影響を及ぼします。これからの開発・QA現場に求められるのは、CI/CDに代表される開発プロセスの抜本的な変革にほかなりません。

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