ATS|テスト自動化

2022.1.14

【第4回】:ローコード開発適用のための最適解とは

「ローコード」で変わるテスト自動化プラットフォーム

短納期でのサービス開発を実現する有力な手法として、専用ツールによりソースコードの記述量を削減する「ローコード開発」が注目されています。設計・コーディング (実装) 工程ではローコード開発が普及しつつあるものの、テスト工程への適用はあまり進んでいないのが現状です。

多様化するユーザーのニーズに素早く対応するためには、テスト工程における「テスト自動化」にもローコード開発の適用が求められます。しかしながら、一般に提供されるテスト自動化ツールの多くは、ローコード対応において様々な課題を抱えています。詳しくは、連載第3回の記事をご一読ください。

「ローコード」で変わるテスト自動化プラットフォーム【第3回】:ローコードを自動テストに適用する場合の課題

こうした課題の解決策として有力な選択肢となるのが、「ADOC Testing Service (ATS) for Eggplant」の適用です。そこで連載第4回となる本記事では、ローコード対応のテスト自動化を実現するATS for Eggplantの特徴やメリットをご紹介します。

ローコード対応のテスト自動化を実現する「ATS for Eggplant」とは

「ATS for Eggplant」とは、テスト自動化のプラットフォーム構築をワンストップで支援するサービスです。ワールドワイドな実績に加えてGartnerやForresterなどの調査会社の評価も高い、米キーサイト・テクノロジーズ社の『Eggplant』をローコード対応のコア・ツールに採用しています。

ATS for Eggplantの特徴は、高度なAIによるディープラーニング (深層学習) 技術、およびモデルベーステストの手法を組み合わせる点です。それにより、テスト設計とテスト実行を並行する「探索的テスト」の自動化を実現します。バグ検出リスクの高いテストケースを自動生成することにより、コスト削減やテスト品質向上が期待できます。

他にもローコード対応のテスト自動化を実現する上で多くのメリットがありますが、次章で解説します。探索的テストについて詳しくは、次の連載記事をご一読ください。

今こそ求められる探索的テストとは?【第1回】:探索的テストの基礎知識

ATS for Eggplantをローコード対応のテスト自動化に適用する4つのポイント

前回も触れた通り、ローコード開発は使用するツールに依存するため、機能や自由度の乏しいツールでは高い効率化の要求を満たせません。よって、「ツールに実装されていない機能には対応できない」という制約があることを十分加味したうえで検討することが重要となります。

ATS for Eggplantにより従来のテスト自動化ツールが抱える課題を解決することで、ローコード開発の適用が可能となり、将来的にローコードの目的の一つであるテスト自動化環境の「内製化」に舵を切る一歩ともなります。ここでは、ATS for Eggplantをローコード対応のテスト自動化に適用する4つのポイントについて、順番にお伝えします。

ポイント1:テスト工程の全プロセスを自動化可能であること

一般的なテスト自動化ツールの大半は、テスト実行のみしか自動化できません。その点ATS for Eggplantでは、設計や実行だけでなく計画や環境構築、結果の分析やフィードバックといったテスト工程の全プロセスを自動化できます。テスト自動化の統合的なプラットフォームを構築することにより、従来と比べて飛躍的な工数・コストの削減が可能です。

テストの設計や実行は前述のように、探索的テストにより自動化されます。AIがサービスの特性や過去の膨大なデータをもとにテストケースを自動生成するため、テスト計画書を作成する必要もありません。また、テスト実行はVNCやRDPといった技術によりリモート化が可能で、テスト対象システムへの複雑な環境構築も不要となります。

さらに、テスト結果の判定はAIの画像認識技術によって高精度に行われます。カバレッジ (網羅性) を始めとした様々なデータが自動で可視化され、膨大なテストケースの実行結果を正確にフィードバックすることが可能です。

ポイント2:幅広いテスト・サービスや複雑多岐な環境に対応できること

ATS for Eggplantであればユーザビリティテストのような、手動によるテスト設計やテスト実行が難しい非機能テストも同一モデル上で自動化できます。AIが過去の膨大なデータからテストケースを自動生成するため、テスターが見落としやすいテストケースも見逃しません。繊細なタイミングが要求されるテストケースであっても、自動で正確に実行できます。

またAIの画像認識技術により表示を正確に判断できるため、Webアプリ・デスクトップアプリ・モバイルアプリといった幅広い種類のサービスに対応可能です。あらゆるブラウザ、OS、デバイスが複雑に混在する環境やリモート環境など様々なテスト・サービスに対応できるため、開発現場の状況に依存しない柔軟なテスト自動化プラットフォームを構築できます。

ポイント3:プログラミング言語の習得が容易であること

ATS for Eggplantでは、テスト自動化スクリプトを調整するために「SenseTalk」と呼ばれるプログラミング言語を用います。SenseTalkは、英語をベースとしたシンプルな文法のため直感的に理解しやすく、短期間で習得が可能です。難しいプログラミング言語の習得に要する教育コストを大幅に削減できるため、より費用対効果が高まります。

SenseTalkは熟練したエンジニアでなくとも比較的容易に扱えるため、人材の確保も容易となります。可読性の高いソースコードで別の担当者でも理解しやすく、開発体制の変更にも柔軟に対応可能です。またサービスのアップデート時には、モデルを更新すればスクリプトのメンテナンスが完了し、ソースコードの記述は最小限で済みます。そのため、回帰テストに要する継続的な工数の削減にもつながります。

ポイント4:導入から効果検証まで充実したサポートが提供されること

ATS for Eggplantには、コア・ツールであるEggplantの導入コンサルティングから実装・実行・フィードバックまでの支援が含まれます。「Eggplant認定資格技術者」の数において国内最多を誇るアドックインターナショナルの専任チームが対応にあたるため、経験にもとづく専門性の高いアドバイスを受けることが可能です。熟練したスタッフの手厚いサポートにより、稼働中の開発プロジェクトであっても迅速にローコード対応のテスト自動化を適用できます。

また、Eggplantを本導入した後の費用対効果を検証できる「ATS効果検証サービス」を本導入前に利用できるのもメリットです。開発現場のテスト対象システムに対して、実際にテスト自動化を適用した場合のQCD改善効果を検証してベンチマークを提示します。本導入における意思決定の重要な判断材料が得られるだけでなく、導入のリスク回避や本導入へのスムーズな移行も可能となります。

ローコード対応のテスト自動化を実現し、アジリティの高いサービス開発を

今回は、ローコード対応のテスト自動化を実現するATS for Eggplantの特徴やメリットをご紹介しました。

現代のサービス開発では、短い開発サイクルを繰り返すアジャイル開発が主流となっており、少ない工数で各工程を進めていかなければなりません。特にテスト工程は、全開発工数の30~40%以上を占めると言われており、いかにしてテスト工数を削減するかが重要課題です。

また、昨今の企業内におけるテスト自動化を含む開発工程の内製化の流れも視野に入れる必要があります。ATS for Eggplantによるローコード対応のテスト自動化の適用は、こうした課題に対する有力な解決策と言えます。

DX推進に代表される昨今のサービス開発では、多様化するユーザーのニーズに迅速に対応し、高品質なサービスを提供することが重要です。市場競争で後れを取らないためにも、テスト工程の抜本的な変革が求められていることは間違いありません。

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