ATS|テスト自動化

CASE

海外事例:Eggplantで顧客サポートシステムのテスト自動化を加速

ブリティッシュ・テレコム (British Telecom)

通信業界の巨人が、自動テストを150%増大させ、生産性と品質の向上を実現

企業プロフィール

英ブリティッシュ・テレコム (British Telecom以下BT) は、通信サービスとソリューションにおける世界有数のプロバイダーです。170か国以上の顧客にサービスを提供し、年間収益は180億ポンド。グループの主要な小売部門であるBT Consumerは、英国で最大の消費者向け固定音声およびブロードバンドサービスのプロバイダーであり、ブロードバンド、テレビ、専用スポーツチャンネル、またモバイルサービスを全国の1,000万を超える顧客に提供しています。

BTは、消費者部門の顧客をサポートするために使用するビジネスサポートシステム (BSS) に年間数千万ポンドを費やしていました。当システムは、会社のWebサイトにアクセスしたり、コールセンターに電話をかけたりする顧客や、それらをサポートするBTスタッフによって利用されます。提供される一般的なサポートには、電話回線、テレビ、モバイル、ブロードバンドなどの製品やサービスの注文、および問題の解決に役立つ「Trouble to Resolve」サービスが含まれ、これらのサポートサービスには、顧客が自分で問題を診断して解決するのに役立つセルフサービスツールが提供されています。

Eggplantがサービスの規模と複雑さの拡大に対応

Adoc テストサービスBTにとって、顧客サービスの品質と優越性を確保することは非常に重要です。消費者向けのBSSのテスト工程は、特定の領域でHP社のUFTを使用した自動化が施されているものの、その大部分は手動で行われていました。しかしシステムと提供機能の数、また複雑さが増すにつれて、スタッフの負担は無視できないものとなり、それを軽減するとともに、テストカバレッジ (網羅性) を改善するために役立つ自動化ツールを探す必要に迫られました。

BT Consumer部門の End to Endテストの責任者であるAndrew Hodgson氏は次のように述べています。
「すべての変更を手動でテストするには時間がかかるため、開発サイクルには一般的に3か月ほど必要としていました。明らかに、ビジネスはその時間を大幅に短縮することを望んでいます。またその一方では、システムの品質を向上させるために、テストの範囲を拡大することも検討されています」

UFT、Selenium、Perfecto Mobileなどのさまざまなツールを検討しましたが、Eggplantがその要件に最も適した製品であることがわかりました。
「Eggplantは、End to Endのテストの観点から、さまざまなテスト機能の最適な組み合わせを提供します。なかでもクロスブラウザテストと複数のデバイスでのテストを自動化する機能が重要な要素でした。携帯電話やタブレットなどのデバイスは、私たちにとって成長分野ですが、セットトップボックスなどのハードウェアもますます増えているため、プラットフォームやテクノロジーにとらわれないEggplantのテストアプローチは私たちのニーズにぴったりでした。」(Hodgson氏)

Eggplantによるスムーズな実装

Adoc テストサービスEggplantが期待される結果をもたらすことを証明するために、BTは最初の6か月間を、品質の向上を目的とした回帰テストの大部分の自動化に費やしました。EggplantとUFTによるテスト自動化は、BTの消費者向けBSSのほぼすべてのプロセスに実装されました。同社のWebサイトにおける顧客との最初の接点から、支払いの詳細設定まで、またさまざまなバックエンドデータベースとシステム (OracleとSiebel) が正しく更新されていることの障害チェック、されに検証にいたるまで、そこにはすべての自動化が含まれました。

Eggplantの使いやすさは、主に簡易な英語ライクのSenseTalkスクリプト言語のシンプルさに起因します。
「SenseTalkにより、私たちのチームはEggplantをすばやく簡単に実装できたのです。たとえばUFTを使用するには、『自動化の専門家』である必要がありました。この技術的ハードルが高度な自動化の適用を阻んでいましたが、Eggplantがそれを解決してくれました。私たちの戦略は現在、テストに関係するすべての人に自動化を展開することであり、SenseTalkは彼らがこれを行うことを可能にします」(Hodgson氏)

また、BTはプロジェクト中にEggplantから受けたサポートに感銘を受けたとHodgson氏は評価しています。
「Eggplantは、私たちに製品を売りたいだけではありませんでした。彼らは、私たちのソリューションに完全に関与する意欲と関心を示しました。これは、組織全体でEggplantの使用を拡大するという私たちの決定の重要な要因となりました」

速やかに回帰テストの大半を自動化

「Eggplantを使用してから6か月以内に、回帰テストの75%を自動化しました。これにより、コストの削減に加えて、各開発サイクルでテストを実行する回数を増やすことができるようになりました。この結果、サービス品質の向上を迅速に達成することができました。本会計年度の終わりまでに、少なくとも2.5倍のテスト実行がされると予想しています」(Hodgson氏)

開発サイクル中に回帰テストを実行する回数を増やすことにより、開発中のアプリケーションに変更や更新が行われた際、より多くの問題が確実にキャッチされるようになります。これは品質の向上に直接影響します。
「回帰テストの自動化は、サービスの配信の柔軟性を高め、最終的には開発サイクル時間を大幅に短縮することに寄与します」そのようにHodgson氏は付け加えました。

高い投資効果を実現

「自動化は、開発プロセスに関与するすべての人にとってメリットがあります。品質の向上は、生産性の向上につながるものです。欠陥をより早く発見することで、開発チームのプレッシャーを取り除き、先月の変更ではなく、次の一連の変更に集中できるようになるのです。」(Hodgson氏)

こうして得られた効率は、スタッフの削減ではない、別の用途に使用されました。BTのテストコミュニティの生産性向上により、リソースが解放され、テストが失敗する原因の調査に多くの時間を費やすことができるようになったのです。これによって、テストの範囲を拡大することが可能になり、Hodgson氏はこのように述べます。
「テストの自動化によって始まった”文化的変化”のメリットがすでに現れはじめています。テストコミュニティは、より平凡で反復的なテストアクティビティから、配信サイクルへのより価値の高いインプットへと移行しています。そして、自動化によって実現したコスト削減により、基本的にこれらのメリットを無料で実現することに等しい成果が得られました」

将来の展望について

これまで述べてきた成果は、開発方法論への変革的アプローチのはじまりに過ぎず、BTは会計年度末までに以前の手動回帰テストの100%自動化を達成することを目指しています。手動回帰テストの完全自動化が達成されれば、次フェーズではテストの幅と深さの拡大に取り組んでいきます。
「各サイクルで実行されるテストの数を増やすだけでなく、テストの幅を広げて、より多くの種類のテストケースを含めることも計画しています。私たちの戦略は、クロスブラウザおよびクロスデバイスのテストにおける柔軟性と強みを活かすために、UFTよりもEggplantの使用を増やすことです」(Hodgson氏)

将来的には、同社は新機能テストの自動化や本番環境でのテスト適用も検討しており、Hodgson氏は次のように締めくくります。
「新しい機能を自動化することはより困難ですが、テスト自動化から開発を推進することができれば、継続的インテグレーションモデルの採用を検討することができます。それは私たちにとって本当にエキサイティングなチャレンジです。また、本番環境におけるテストを自動化することにも大きなメリットがあります。これが私たちの追求しているテスト環境の将来です」

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